子どものやる気を育てるプロセス

 そりゃ、親や先生が「勉強しろっ!!」って言って、子どもが「はいわかりました。勉強します」なんて言ったら苦労なんてないですよ。でも「勉強しろ」と言ったところで子どもが勉強しないから親としてはイライラする。イライラとまではいかなくても心理的に何だかモヤモヤ感が残る。言われた子どもとしては、「うるせ~な、黙ってろ、うぜぇ~」となる。親、子ともどもマイナス感情になってしまうことがよくありますよね、勉強しろと言った後は。

 前にも書きましたが、勉強しないのは勉強する動機づけができていない(モチベーションが上がっていない)からです。だから勉強するように動機づけていけば良い。

 「じゃぁ、どうすれば動機づけられるんだ、具体的な方法を教えてよ!!」

と言いたくなる気持ちは十分解りますが、残念ながら具体的に示したところでその方法が上手くいく子もいれば、上手くいかない子もいるわけです。だから「1つの方法として、こういうのもありますよね」という提案はできても、これが万人に共通する動機づけの方法だとは言えなわけです。

やる気を一連の流れでとらえた研究

 ところで、動機づけをプロセスで考える研究があります。やる気を一連の流れでとらえた研究。
 具体的な方法だと上手くいくこともいかないこともありますが、プロセスで考えていくと多くの人に共通することがあると思います。

 プロセスとしての動機づけは図の様になります。


やる気 一連の流れ

 
 
 これだけでは、はぁ? となりますよね。これを説明していきますが、けっこう長くなるので何回かに分けて投稿していきます。

先行要因

 先行要因とは、動機づけが形成される、つまりやる気が起きるための前提条件となるもののことです。物理的・精神的な意味もこめての取り巻く環境や、過去の記憶、内的状態などがそれにあたります。全て必要とは言わないものの、先行要因になるものがないとやる気が起きることはない、ということになります。
 例えば、勉強するための音のない静まった空間とか、逆にある程度雑音がある場所というのは環境要因です。熱が出て体調が悪いときは何もしたくないですよね。この場合は内的状態が整っていないということになります。

動機形成に必要な3つの要素

 その先行要因が『3つの要素』に影響を与えることで、動機が形成されます。

 この『3つの要素』とは何か? 気になりますよね。
 これ、かなり重要なことなんです。なので詳しく説明しますね、次回に。

 動機が形成されると目標が生まれます(この目標についても色々とお伝えしたいことがあるので、次回以降に解説します)。

目標達成行動

 目標ができれば、それを達成するための行動に移ります。
 その目標が達成できると報酬や満足感を得ることで、それが新たな先行要因や動機づけの形成になります。
 逆に目標が達成できなくても、その行動自体が新たな先行要因になって3つの要素を刺激したり、新たな動機を形成したりしてきます。

 このプロセスが循環したらどうなります?

 そう、習慣が形成された、となりますよね。つまり、

子どもに学習習慣を身につけさせたいと思うなら、
『この循環を作るためのサポートを大人たちがやれば良い』

ということになります。

動機づけのプロセス完成にはどうしても時間がかかる

 もっともこの動機づけのプロセスは、子どもの勉強に限ったことではありません。大人にだって当てはまります。
 なので、例えば「ダイエットしないとなぁ…。じゃぁ今度、毎日5分ジョギングしよう」と思い、その今度が何カ月も来ない人は、このプロセスを少し意識してみると良いかもしれません。

 そしてお解りいただけると思いますが、今まで勉強を避けてきた子にこのプロセスの循環を完成させるにはどうしても時間がかかります。1日2日でできるものではありません。1週間だって厳しいと思います。

 どんなに早くても1か月はかかると思います。
 本当に勉強が嫌で嫌でしかたない子だと、毎日5分勉強するのだってかなりのエネルギーを使います。
 その毎日5分勉強する習慣を作るのに、1か月って遅いですか?


 もし遅いと思うようでしたら、毎日5分ジョギングしてみて下さい。
 今度じゃなくて今日から。





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