自己効力感の要因

 前回は自己効力感が高い人と低い人とでは、口ぐせに違いが表れるということを紹介し、自己効力感が高い方が普通はいいよねっていうことを書きました。今回は自己効力感を高める手段を書いていきます。

 改めて書きますが、自己効力感を構成する要因は主に
  ①成功体験
  ②代理的体験
  ③言葉による説得
  ④テンションあげあげ

の4つがあるとされる、と紹介しました。

成功体験

 まず①の成功体験は説明するまでもありませんが、自分が何かに挑戦し成功すると自信を持ちますよね。どんなに小さいことだろうが、あるいはどんなに出来て当たり前のことだろうが、成功すると自信はつくものです。自信とまではいかなくても、喜びや楽しさなど何らかのポジティブな感情は持つと思います。
 ここで強調しておきたいのは、どんなに小さいこと、出来て当たり前のこと、であっても成功体験を持つことは大切だということ。よく「スモールステップに分けて進めていく」とか言いますよね。このことはまさに「成功体験を積み重ねる」ことを重視した流れです。

代理的体験

 ②の代理的体験とは簡単に言ってしまえば、「あいつに出来たんだから俺にも出来る!!」という思いのこと。ここでポイントとなるのは、自分以外の他者が存在する、つまり「モデルになる人がいる」ということ。なおかつ、その「モデルに対し自分から関心を持つ」こと。
 私の実際の体験ですが、私は幼稚園の年長組の時には既に補助なしの自転車に乗れたんですね。当然自転車に乗り始めたばかりの時(4、5歳位)は補助付きの自転車に乗っていたんですが、ある日突然、近所に住んでいた1歳上のお姉さんが私の前に補助なしの自転車に乗って現れ「補助なしの自転車に乗れる?」と聞いてきたんです。その補助なしの自転車に乗っている姿を見て、「僕だって補助なしの自転車に乗れるんだ」と思い、その日の内に補助を取ってもらい猛練習をして補助なし自転車に乗れるようになりました。(お姉さんといっても幼馴染みの1歳上の女の子という意味です。ちなみに幼稚園から帰ったあとよく一緒に遊んでいました)

 この体験では、2つポイントがあります。
 1つ目はお姉さんがモデル、つまり『モデルとなる人がごく近しい人』であったこと。そのため同じことをできるようになりたいという意識が自然と出てきたこと。
 そして2つ目は、モデルの姿を見たことで誰に強制されるわけでもなく、補助なし自転車に乗れるようになりたいと『自分から思えた』こと。
 この2つがあったから、補助なし自転車に乗りたいという動機づけがなされ実際に乗れるようになったと考えられます。

 もしですよ、もし親だか誰かが「お姉さんが補助なし自転車に乗れたんだからお前も補助なし自転車にしなさい!!」なんて言ってきたら、絶対自転車に対して良い思いを持つことはなかったと思うし、嫌々自転車に乗ったと思います。転んで擦り傷1つつけるごとに「ぎゃぁ~~」と悲鳴も上げていたと思います。
 それからモデルになった人が重要。全く面識のないおっさんが突然「補助なしの自転車に乗れる?」なんて聞いてきたら、モデルにするどころか、補助付き自転車を思いっきりこいでダッシュでその場を逃げたと思います。
 長々私の体験を書きましたが、代理的体験がどんなことかはお解りいただけると思います。

 と、ここで自転車を勉強に置き換えてみると、勉強は1人でやるのもいいけど、気心知れた相手など周りにモデルとなる人がいることも大切なのかなぁとも思えてきます。学力・成績が近い人でも良いでしょう。競争を推奨するわけではないけど、適度なライバル関係になる人が存在しお互い切磋琢磨していくのが丁度よいのかなぁとも思えてきます。
 もしモデルになる人が全く面識のないおっさんで、突然「補助線なしでこの図形の問題解ける?」なんて聞いてきたら、それはもうモデルにならないだろうし、女子生徒は思いっきりダッシュで「ぎゃぁ~~」と悲鳴でも上げながらその場を逃げると思います。

言葉による説得

 ③の言葉による説得ですが、これはもう奥が深すぎてとても説明しきれない。
 これについて書こうとしたら本何冊分にもなるボリューム。なので1点だけ挙げるとすると、「ポジティブな表現をするように心がける」になるでしょう。別の言い方をすると「〇〇ない・しない」という言い方を避けるとでもいいましょうか。
 これは自分に対しても他人に対してもということでです。
 例えばこんな感じで。
  テストでは平均点を下回らない様にする
      ↓
  テストでは平均点は取れる様にする

 上の文は「ない」を使った否定文になっていますが、下の文では同じ意味の文を別の形に置き換えて肯定文にして書いています。意味内容は同じですが、印象が違いますよね。上の文では重苦しいお先真っ暗なテスト結果が見え見えですが、下の文では悪いなりにも次に良い方向へ繋がりそうなそんな感じがしてきませんか?
 「ない・しない」という表現をよくしますが、意識的にその表現を避けて肯定的表現に変換していくことをぜひやってみて下さい。

テンションあげあげ

 ④のテンションあげあげですが、これは良いイメージをするということです。とは言っても、実際嫌な出来事があって気分が落ち込んでいる時に無理やり良いイメージをするなんて難しいし、かえって気分の落ち込みが長引いてしまうなんてこともあるかもしれません。なので無理のない程度でということになります。
 これも私の体験になりますが、私自身ネガティブな事を考えている時は視線が左下方向にいくんですね。逆にポジティブなことや嬉しいことを考えている時は視線が右上の方に行きます。ここでです。視線を左下にしてネガティブなことを想像したまま視線を右上に動かすと、ネガティブなことを想像しても若干感じ方が変わってくるんですね。明るくなるとまでは言いませんが、深刻に考えていたものが少し深刻の度合いが軽くなるというか。
 
 テンションあげあげについてはいろいろありますのであえて深く書いていくのを避けますが、自分自身に肯定的イメージを付け加えていくという様に考えてくれればと思います。そして改めて強調しておきますが、無理のない範囲でということになります。少しでも無理を感じるならやらない方が良いです。


 成功体験と代理的体験は特に、自己効力感を高めるための重要な要因といえます。この2つについてはまだお伝えしたいことがありますので、今後もどこかの記事で触れていきたいと考えています。





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