楽しみながらやること
人はどうしてもある分野に対して苦手意識を持ってしまうものです。それは運動なのかもしれないし、勉強なのかもしれない。あるいは芸術的な分野かもしれないし、もっと別のことかもしれない。で、当学習会は勉強面で子どもたちをサポートしていくから、勉強に苦手意識を持った子は大歓迎なのであります。
ちなみに私は絵心が全くないので、絵を描くことが本当に苦手。とても他人様に絵を見せるなんてことはできません。動物の絵を描くと、ゾウさんとキリンさん以外はみんな同じ様になります。以前当学習会のマスコットキャラクターを試作したんですが、まぁひどい・・・(~_~;) なのでお蔵入りしてます。
じゃぁ絵を描くことが嫌いかというと、別にそんなことはないんですね。むしろ楽しいというかなんというか、少なくともネガティブなものではないんです。
数学に苦手意識を持った子への対応。
それはズバリ、楽しんでやりましょうよ、ってことなんです。
苦手意識を持っている所に何だか本当に辛気臭い雰囲気の中で勉強したんじゃ、もう絶対もたないじゃないですか。だから少しでも楽しんでということなんです。
苦手意識を持つのは仕方ない。でも一番いけないのは、そこから嫌いになってしまうこと。それは未然に防がないとということになります。
ここで1つポイント。苦手だからといって必ずしも嫌いということではないですからね。それは私の絵の例を解釈してくださればお解りいただけると思います。
ならば具体的にどうやって苦手意識を持った子に対応するんだってことですが、それはもう相手の子によって変わってくるから例を示せないです。子どもの数だけ方法が変わってくるという感じです。でもとにかく楽しめるようにする。このことは常に念頭に入れています。だから子どものことをよく見ることが必要ですよね。
ところで数学が苦手だ、という子はやっぱり多いです。そしてだいたい苦手と嫌いがセットになっています。苦手で嫌いだからやりたくない、考えたくもないと。
その気持ち、よ〜〜く解ります。だいたい嫌いだったらやろうなんて気になれないし、まして自分から積極的にやるなんてまずあり得ないですよね。
ですが学習面でサポートする活動をしてるため、「やらなくていいよ」なんて口が滑っても言えないわけで、何とか数学が嫌いになることだけは避けさせたい。
ということで数学が嫌いだという生徒に対して、1つやらせてみることがあるんですね。それが写真のやつです。
ハノイの塔
これ、ハノイの塔といいます。
真ん中の棒に3つの円盤がささっていますが、右もしくは左の棒に同じ形になるように移しかえます。ただしルールがあります。
①1回の移動で持てる円盤は1枚のみ
②小さい円盤の上に大きい円盤を乗せてはいけない
③円盤は棒以外の場所に置くことができない
このルールのもと、いちばん少ない回数で移動完了するのは何回か? というものです。円盤1枚だと、当然1回で完了します。2枚だと3回です。
写真の様に3枚だと・・・? で、まぁこれもみんなできるんです。
そこでいきなりレベルを上げて5枚になったら何回で完了するか?
こういうことをやらせてみるんです。
生徒の反応は・・・
最初のうちはめんどくさがって嫌々やるんですが、円盤の枚数が多くなるにつれ意外にも結構やるんですよ。5枚ともなるとさすがに難易度も上がるから時間がかかるんです。う〜んと考え込んでいるところに私が「答え教えようか?」と聞くと、「もっと考える!!」という生徒が7割近くいるんです(私の経験上の割合ですが)。
な〜んだ、ただの円盤遊びじゃないか、なんて思わないでくださいよ。この遊びの中に数学の本質が隠れているんですから。
いいですか。最初は数学苦手、嫌いと言っていた生徒が、「もっと考える!!」って言うんですよ。嫌いでやりたくない考えたくもない数学のはずなのに、数学の本質が隠れているこのハノイの塔を「もっと考える!!」って言うんですよ。
ということは、数学が別に嫌いなんじゃないんですよ。もし本当に嫌いなら途中で投げ出すはずじゃないですか。最初から手をつけないことだってあるじゃないですか。
でももっと考えて答えを見つけようとする。しかもほとんどの生徒は面白いって言ってくれるんです。さらに生徒によっては、規則性を見つけ出してそこから何かないかまで考えたりもする。繰り返しますが、数学が苦手、嫌いという生徒がですよ。
ということは本当は数学が嫌いなんじゃなく、もっと別の何かがあって、それが数学嫌いと勘違いさせているのではないかと考えられます。
さすがにその原因が何かは実際に子どもを見てみないと判りませんが、子どもが数学苦手、嫌いと言っているから、即数学嫌いと大人が判断するのはミスジャッジをする危険があるかと思います。
ちなみにハノイの塔をやった後で生徒に、「数学の本質が隠れているハノイの塔を楽しんでやってたってことは、本当は数学が嫌いなんじゃないんだよっ」と伝えると、ほとんどの生徒は納得します。
TOI学習会(とわがく)のFacebookページに、ハノイの塔をやっている動画がありますので、よろしければそちらもご覧ください。
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