公立高校受験を考える中3が夏休みにやっておきたい理科の復習法

 ここでは公立高校受験を考えているちょっと理科が苦手だという中学3年生に対して、夏休みの間にやっておくのが望ましい理科の復習方法について少し提案します。

 私立高校入試ではふつう国数英の3教科が受験科目になりますが、公立高校入試ではそこに理科と社会が増えて5教科の試験を受けることになります。

 公立高校を目指す生徒にとっては絶対に甘く見てはいけない理科と社会ですが、3教科と比べると取り組みが疎かになりがちというか、後回しにしがちというか、少し学習頻度が下がる傾向にある生徒が多いようです。

 色々と学習計画を立てた上で理科と社会の頻度が少なくなる分にはまだいいのですが、「何とかなるだろう」とか「暗記すれば大丈夫」などと言うように計画性の無さによることで学習頻度が減ったり、苦手意識が原因で避けているというなら、これは由々しき事態ではないでしょうか?
 夏休みを前にして、そもそも何をどのように勉強すれば良いのかがわからないというなら、これはちょっと深刻な状態ともいえるかもしれません。もっとも苦手意識を持ったまま中学3年生まできてしまったというなら、これが正直な所なのかもしれませんが。

最低でも1年生の内容は全て1通り復習する

 タイトルにもした通り1年生の内容を1通り復習するのは絶対です。本当は2年生の内容も3年生の内容もと言いたいところですが、1年生の内容をほとんど忘れてしまっている場合だとそう上手くも進められないと思います。なので1年生の内容を最優先で復習する。1年生の内容でいっぱいいっぱいならそれだけでも良しとする。

 理科は覚えるべき用語や名称など、暗記すれば得点を稼げるのも確かです。なので暗記項目をしっかり覚える必要があります。

 じゃあどうやって暗記すれば良いのか!! となりますが、ここで気合を入れて「暗記しろ」と言っては何の提案にもならないので、こんな方法を1つ提案します。

とにかく覚えている事柄を書き出す

 とりあえず1年生の時に学習した理科の内容で、覚えている用語なり名称なり人名なりをとにかく思いつくまま書きだします。そしてその書きだしたものについて、自分なりに簡単でいいので、どんなことだったのか、どんな人物だったのかの説明を書いていきます

 ここで1つポイントなのが何も見ないで書くこと、思い出すこと。

 いくら理科が嫌いだったからといっても、何を学習したのかさっぱり記憶が無いなんてことはないと思います。なので、まずは覚えている範囲だけで構わない。1個だけかもしれないし、考えれば5個位思い出せるかもしれない。やっていくうち10個位書き出せるかもしれない。どうこう言いながら20個近く書き出せているかもしれない。とにかくまずは何も見ずに書き出していく。そして説明をまずは何も見ずに書いていく。

 思い浮かばなくなったところで答え合わせをしていきます。答え合わせと言っても自分で書きだしたものを教科書やノート、参考書などで確認していきます。それで合っていたところはそれでOKだし、間違えていたところはその時点で覚えていけばいいのです。これで暗記するべきものの一部は復習が出来ました。

 しかしこれだけでは当然足りません。あくまでもこれは一部を復習しただけ。なので次の段階に入ります。

覚えている分野・忘れている分野の確認

 理科は物理・化学・生物・地学を4分野に分かれます。なので自分で思い出した項目が、理科の4分野のうちどの分野について多かったか、逆に少なかったかを見ていきます。すると比較的よく覚えていた分野や、逆にそれ程覚えていなかった分野がはっきりするはずです。自分ではあまり得意とは思っていなかった分野でも、実は意外によく覚えていたなんていう発見もあるかもしれません。
 例えば書き出せた項目が物理10個、化学15個、生物30個、地学5個だったとします。すると地学分野に弱点がありそうです。なので地学分野を重点的に復習していく。あるいはよく覚えていた生物分野を先に進めても良い。要は自分の得意分野・弱点分野を把握しておきましょうということなんですね。そうすることで今後の学習計画を立てやすくなってきます。
 ある程度把握したところで各分野の復習に入って行くようにします。

 復習の仕方は色々ありますね。ひたすら問題演習をこなすもよし。用語や語句を覚えなおすもよし。何がベストかは人それぞれ違いますが、まとまった時間を取れる夏休みは、基本事項を徹底して覚えなおしていくのが良いと思います。

 さて、こう書くと夏休みの理科の勉強は基本事項の見直しだけで良いの? と思う人もいると思います。
 私はそれで問題ないと思います。というのは、夏の段階ではまだ入試まで5カ月はあります。その5カ月のうちに3回復習する。つまり3回の内の1回を夏休みに始めて、そこで基本事項の確認を終えてしまう。秋の2回目の復習時に問題演習、3回目にさらに問題演習や発展的な内容に触れていく、という勉強方法で良いと思います。

 ただ注意点としては、用語などを単に暗記しようとしては内容がつながってこないので、必ず理論立てて理解して覚えるようにしていきます。
 理科が苦手だという人はこのことができていないことがものすごく多い。知識が全部断片的になっているから、あるまとまりをまとまりとして捉えることができていないんですね。それだと「努力はしたけどどうも結果がなぁ・・・」という事態になってしまうので、必ず理論立てて理解するようにします。

 ほかの記事でも書いていることなんですが、この勉強方法が絶対正しいなんて言う気は全くありません。この方法が合う人もいれば合わない人がいるのも事実です。あくまでも参考程度に捉えるようにしてください。
 ただ、全く勉強方法がわからないとか、勉強してても成果につながってないと感じている場合はここで紹介した方法を試してみる価値はあると思います。




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