中学1年生が夏休み中に復習しておきたい数学のポイント

 ここ数回にわたって、私自身の体験も踏まえ、中学3年生が夏休みにやっておくべき勉強法ということで書いてきました。
 今まで多くの中学3年生と関わってきた中でやはり勉強に関する悩みをよく聞くのですが、数学に関する悩みがけっこう多くありました。
 その悩みについて深く聴いていくと、ほとんどの場合基礎力の不足に原因があります。中でも特に、文字式の計算があやふやになっているケースがとても多いように感じます。

 文字式の計算は中学1年生の早い段階で学習する内容です。そう、つまり中学3年生の数学の勉強に関する悩みの原因は、1年生の内容の確認不足という所に行き着くわけです。
 これは逆に考えると、中学1年生が1年生の1学期(前期)の内容を夏休み中にしっかりできるようにしておけば、後々のことを考えるととても楽になるとも言えそうです。
 
 幸いにして、1年生が夏休み前までに学習する数学の内容は計算問題がほとんど。どんなにものすごい超ウルトラスーパーハイペースで進んだとしても方程式の文章題位までです(ごく普通の公立の学校なら)。つまり範囲がとても限られていて量的にも少ない。だからこそ夏休み中にしっかりとできるようにしておきたいのです。

 ということでここでは、中学1年生が夏休みに中に復習しておきたい数学の問題をほんのちょっとだけ紹介して、こんな問題をできるようになっておけよっというアドバイスにしたいと思います。
 いっぱい紹介してほしい人は・・・、どうしましょうか?

正負の数とその計算

 不等号で表す問題で、ミスが多発するものです。
 上の2つは出来るのですが、下のように数値が3つ出てくるとつい

-13<+9>-11

とやってしまいます。なぜいけないのか、しっかり説明できるようにしておきたい所です。

 指数を含む計算です。指数がかっこの外にあるのか中にあるのかで計算が違っていますが、1年生はここがあいまいになっている人が多いです。

 さらに一番下の問題の様に引き算とかけ算が混じった計算になると、小学校の時に学習した計算のルールを忘れてしまっていて、引き算を先に計算してしまうというミスもよく見られます。こんな所も夏休みの復習ポイントです。

文字を含む計算

 文字式の計算ではかっこを外しますが、かっこの外し方に慣れないとミスをしてしまいます。特にかっこの前に-がある時。分配法則自体は知っているけど、つい忘れてしまう所があります。

 そしてその少し発展版の分数タイプの文字式の計算。
 中学1年生にとってこの計算が、夏休み前までの学習内容で一番の山と言えるかもしれません。受験を控えた中3でさえ、ついうっかりミスしやすい問題です。
 まぁ見方を変えればそれだけレベルの高い問題だから、中1の夏の段階でしっかりできるようになっておくと、今後の学習がずいぶんとスムーズに進められる内容でもあります。

とにかく夏休みは自信をつけるとき

 見直すべき問題はもちろんこれだけではなく、基本的な計算や数量を式で表すもの、式の値を求めるものなど色々あります。
 難易度は低いものから高いものまでありますが、中1の段階では無理に難易度の高い物をやる必要はないです。基本を確実に身につけていく事が重要なので、標準レベルのものを中心に進めれば十分です。
 ただ、計算問題だけは余力があれば難易度の高い物もチャレンジしてみても良いと思います。これは成績うんぬん、受験うんぬんということではなく、できると心理的にかなりの自信を持てるということでです。

 まとまった時間を作りやすい夏休みは苦手を克服するための絶好チャンス。
 夏休みを充実した時間にして、秋からの学校生活に備えたいですね。