国語が苦手な中学3年生が、高校入試に向けてやっておきたい夏休みの勉強法

 「国語が苦手だ」という中学生たちと関わっていると、『国語は何をどう勉強すればいいのかわからない』『苦手意識を何とかしたい』という悩みをよく聞きます。
 そして意外なことに、国語でそれなりに良い成績を残している生徒からもこの悩みを聞きます。

 結果を残しているのに? と思いつつも、何をどのように勉強すれば良いかわからないと感じるということは、それだけ国語の勉強は掴みどころに困る教科とも言えそうです。実際私も中学生の時は国語は苦手で、何をどのように勉強すれば良いか困っていました。そもそも文章を読むこと自体が苦手というのもありましたが。
 ということでここでは、私の体験も踏まえ、

国語に苦手意識を持っている中学3年生が高校受験対策として
どのような勉強をしておけば良いか、
またどのようなことに注意しておけばよいか

をお伝えします。
 で、いつも書いていることですが、私の体験はあくまで私にとって良かった或いは悪かったことであって、必ずしも全員の人に良い結果として表れるものではありません。勉強で困った時の1つの参考として捉えてください。

国語のどの分野なら得点できそうかを考える

 国語は漢字の読み書き、文章読解、文法、古文・漢文、作文と分野分けできます。この中でどの分野なら得点しやすいかを振り返ります。

漢字の勉強法について

 いくら国語が苦手だといっても漢字の読み書きなら覚えてしまえば確実に得点できるので、これは確実に得点できるようにしておきたい分野です。とは言っても、漢字のワークをやった所でなかなか覚えられないのが正直な所だと思います。
 それにワークの用法以外にも漢字の使い方は色々ありますし、教科書を一通り見直したってやっぱり教科書に載っていない使い方だってあるわけで、それらを全部確認しようとしたらそれはもうちょっとやってられないですよね。覚える事柄があまりにも多すぎます。それでは漢字の勉強をしようとやる気を出す前にため息が先に出ます。そこに国語への苦手意識があると気が遠くなってきます。
 さらに何百、何千とある漢字の中から入試問題として出題される漢字はほんの数個。そのほんの数個のために漢字ワークを繰り返して何時間も使うのはもったいない。

 ということで、漢字の勉強としての時間は特に作らなくて良いと思います。その代わりとして、読解問題を解く時に解らない漢字を見たら、その都度調べて覚えていけば良いと思います。

 何も国語の勉強をする時に限ってのことではなく、日頃からわからない漢字を見たらその都度調べる。そういう習慣をつけた方が良いと思います。
 例えばゲームをやる時。RPGとかやってると絶対わからない漢字とか出るじゃないですか。それを調べるんですよ。それだって立派な漢字の勉強です。別の記事で書いたことですが、私なんかは森羅万象って四字熟語はFF7(PSのオリジナル版)で初めて知りましたからね。(笑)
 国語が苦手だったとしても、こんな方法なら少なくとも漢字を覚えるのに苦痛を伴うなんてことはないですよね。

 さすがに勘違いする人はいないと思いますが、漢字を覚えるためにゲームをやれって言ってるんじゃないですからね。日常の色々な場面に漢字を覚えるきっかけが潜んでいるってことを言っているんですからね。

文章読解の勉強法について

 文章読解は小説と説明文があります。
 残念ながら読解については日常的に文章に触れて、読むことに慣れるしかありません。
 だからとりあえず本や新聞を読みましょう

 と言った所で、そもそも読むこと自体が苦手な人にとってはこれは苦行でしかないですよね。
 読むことが苦手だと、まず読むだけで時間がかかります、それもものすごく。まじめに読んでいるはずなのに、一度読んだ行をまた読んで10文字位進んだところで「今読んだ所じゃん。」なんて気づくことは普通にあります。

 読書が好きな人には想像つかないと思いますが、本当に読むことが苦手だとマンガを読むことでさえちょっと敬遠するものなんですよ。一見読んでいる様に見えるけど実は絵を見て雰囲気を体感しているだけとか。苦手意識が強かったり読むことが嫌いだと本当にそうなんですね。
 ぶっちゃけた話、読むことが苦手だとそもそもこの記事自体読みませんが・・・( ノД`)

 じゃぁ本当に読むことが苦手な人はどうすればいいんだってことになりますが、そういう人はもう日常生活や社会の色々なことに関心を持って、知っている言葉の数を増やしていくしかないですよね。そうしていく事で世の中に関しての知識を貪欲に増やしていく。
 知識がそれなりに備わってくれば、ある程度感覚的に文を読み進めることができるようになる。すると細かい所は別として、大まかな内容は捉えやすくなってきます。


 文章読解のポイントはここですよね。大まかな内容を捉えられるようになること。
 
 読むことが苦手な人は、無理に読むことに時間を使うのではなく知識を増やすことに時間を使った方が、結果として読解力向上につながってきます。これは中学生に限ってのことではなく、大人に対しても言えます。

古文・漢文の勉強法について

 古文・漢文については、学校の授業で扱った内容を徹底して繰り返して覚えていくということで良いと思います。幸い古文・漢文についてはそれほど難しい単語はなく、読み進めるうえで難解な知識も必要としないので(中学レベルに関しては)、教科書の内容中心の学習で良いと思います。もし模擬試験等を受けているようなら、合わせてその復習もしておくようにすれば充分です。
 ただ基本的な単語や読み方のルールはきっちりおさえておく必要があります。

 重要語句は、学校の授業の中でも先生がかなり強調していたはずです。
 今と昔で意味の違うことばはテストでも狙われやすく問題も作りやすい。
 例えば「いとおかし」なんかはその代表的なもの。どのような意味か、わかりますよね?
 わからなかったら、しっかり確認しておきましょう。

作文の勉強法について

 作文については色々とお伝えしたいことがあるので、今後新たな記事として書いていく予定です。なのでここでは1つ紹介しておきます。

 いきなり200文字の作文を書けと言われたところで、書くことに慣れていない人はまず書けません。だから当然書く練習が必要になります。
 すると、「何を書けばいいのかわからない」となってきますよね。なので全く書く練習をしていない人に対して、次のことをお勧めします。

 今日の出来事について毎日書く

 今日あったことならどんなことでも自由に。良かったこと、嬉しかったこと、辛かったこと、感心したこと等々自由に。どうせ誰に見せるものでもないんだからぶっちゃけネタでもOK。
 もちろん200文字なんて言いません。慣れないうちから200文字作文なんかやったら書くことに拒絶反応すら出るかもしれません。なのでそんな多くの文字数じゃない。

 毎日50文字。必ず50文字で収まるように書く。まぁピッタリとはなかなかいかないから、句読点含め45文字〜50文字の間で収まるように。

 これには狙いが3つあります。まず書くことに慣れますよね。2つ目に今日のことだから書くネタには困らないです。3つ目に50文字。あの鳥のつぶやきよりも少ない文字数。少ない文字数で誰にでも伝わるように文を書く。だからムダな接続詞や句読点を使った文とか、漢字を知っているのに文字数稼ぎにひらがなで書こうものならたちまち文字数オーバーしてしまう。これを簡単と捉えるか難しいと捉えるか。もし難しいと感じマイッターと思うならどんな所に難しさを感じたのかを認識する。
 これを毎日やっていきます。時間にしたらせいぜい3分程度です。カップ麺ができるのを待っている間に終わります。

 ただし必ず書くこと。スマホやパソコンで打ち込むのではなく、自分でペンを持って書いてください。
 実際に書くことによって、頭の中を整理することができるようになります。そして文と文をつなげるときに自然な流れになるように、自分で気をつけて書ける様になってきます。
 だから必ず自分でペンを持って書いてください。

 「書いてください」っていうか、とりあえず「書け」。

 よく作文を書く時には起承転結を意識して書け、なんて言いますよね。ならばそれぞれに50文字ずつ使えば全体で200文字。200文字作文なら、とりあえず50文字で練習しておけばなんとかなりそうです。

まとめとして

 ここでは簡単にですが高校入試に向けた国語の勉強方法を参考にあげました。冒頭にも書きましたが、これが絶対正しい方法ということではありません。
 ただこれだけは間違いなくいえることですが、予備知識をつけておくこと。これはとても重要なことです。テストに出る出ない関係なく、予備知識があればいろいろなことの助けになります。
 国語が苦手だというなら、むやみに苦手意識を克服しようと考えるよりも、予備知識をつけて考える幅を広めていくことに力を入れた方がずっと効率的で生産的です。

 特に国語の入試問題となると初めて読む文章がほとんどだと思いますが、初めて読む文章だったとしても、ある程度の予備知識があればすんなり読み進めることだって決して不可能なことではない。結果として5点多く得点できるかもしれない。

 ただ予備知識はあくまでも予備知識。それを身につけるために一々時間を取るのではなく、日頃色々なことに関心を持ち、何かのきっかけで1つだけでいいから簡単に調べてみる。そういう習慣の積み重ねが、結果として国語の力につながってくると思うのです。




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