勉強嫌い克服のためのポイント

「勉強嫌い克服」のために大切なこととは

 いきなり結論じみたことを書きますが、
勉強嫌い克服のためには「勉強に関する成功体験を持たせる」
ことが何より大切です。そのために

・勉強ということをなるべくにおわさずにアプローチすること
・勉強は自分のためにも他人のためにもなることを暗に伝える
・他人の役に立つことで喜びを実感させる
・達成感を経験させる
・日常のあらゆることは勉強につながる

ということを心がけて子どもと接することが大切です。

 なので、勉強に苦手意識を持っている子どもに少しでも勉強に取り組ませたいと考えるなら
「どうやって成功体験をさせるか」を考えていくのが大人の役割といえます。

「勉強しなさい」の一言は、勉強嫌い克服に逆効果

 子どもが勉強しない時につい言ってしまう保護者の一言に「勉強しなさい」があります。
 しかし「勉強しなさい」と言ったところでほとんど効果はありませんし、むしろその一言が子どもの勉強嫌いをより強固にしてしまうことさえあります。

 勉強嫌いの子や勉強に苦手意識を持っている子にその一言をかけるということは、子どもに対して「嫌いなことでも我慢してしっかりやれ!!」とか「失敗し続けろ」いう隠れたメッセージを投げかけることでもあります。
 もちろん言う側としてはそんなこと意識するはずもなく勉強は大切だからという意味で言うわけですが、受け取る側としてはどうしても「嫌いなことを我慢してやれ!!」という意味で強く感じてしまうものです。
 すると子どもの本音として、「やってらんねぇ」とか「うっせぇうっせぇうっせぇわぁ」となってくるわけです。

 かといって勉強嫌いな子に対し何も注意しないのもまたよろしくない。少しは勉強に向かうためのアプローチや、きっかけづくりが必要になってきます。
 ただ、勉強嫌いな子は「勉強」という言葉自体に拒絶反応を示すこともあります。「勉強」という文字を見ることも、「べんきょう」という音の響きを聞くことさえも苦痛なケースだってあります。

 では勉強嫌いな子に対してはどのようなアプローチを施せば良いのかということになりますが、上記のことを考えると「勉強」という言葉を使わないアプローチを考える必要がありそうです。
 そのうえで、子どもに「勉強に関する成功体験を持たせる」ようにしていきます。

 勉強嫌いな状態から一気に勉強好きに変えるのはまぁ正直なところ無理ですが、ここでは少しでも子どもの勉強嫌いを改善・克服していくために、家庭でできる声かけの方法を1つ提案します。

 「子どもが勉強しないで不安だ」「テストも近いのに勉強に取り組まないので心配だ」と感じている保護者の方は、勉強へ向かうためのきっかけづくりの1つとして参考にしてみてください。

勉強嫌い克服のための効果的な一言 「〇〇について教えてよ」

  勉強嫌いの子に「勉強しなさい」と言ったところでほとんど効果はない。かといって何も注意しないのもまたよろしくない。
 ではどのように声をかければ良いのか?

 子どもが勉強嫌いを克服するための一言。その魔法の一言とは、

「○○について教えてよ」です。

 〇〇に入るのは何でも良いです。

 例えば、
 「この英単語の意味教えてよ」
 「方程式の解き方教えてよ」
 「この漢字の読み方教えてよ」
 などなど。

 この記事を読んでいる方は子どもの勉強に熱心な方でしょうから、子どもが今学校で何を勉強しているか分かっていると思います。だから、今子どもが勉強していることについて、大人が知らない風を装って子どもに聞いてみるのです。

 聞いたことに対して子どもが答えられるかどうかなんてどうでもよく、要は子ども自身に「頼られている」という感覚を持たせることが目的です。
 やっぱり人って頼られるとそれなりに嬉しいものです。そして頼られたらそれなりに応えようと何かしらの行動を起こすものです。そこを刺激するんです。

 それで子どもがしっかり応えられたら、「分からないことが解決できてすっきりした」とか何とか声をかけてあげればいいし、もし答えられなかったとしても「じゃぁ教科書見せて」とか適当に理由をつけて子どもと一緒に聞いたところを調べれば良いのです。

 これは「勉強に関して他人の力になれた」という、一種の達成感を経験させることに意味があります。つまり成功体験ですね。これを経験できるとやっぱり大きいですよ。
 他人の役に立てたと思えたら嫌いなことであっても好きになる、とまでは言いませんが、少しは嫌いの程度も緩和されることが期待できます。

 勉強嫌いな子は結構な割合で、勉強を「させられている」と感じていたり「ガマンしてやらなければならない」と思っています。苦痛の対象なんですね。
 苦痛からは喜びや楽しさなんて感じるわけないじゃないですか。でも苦痛と思い込んでいた勉強が意外な形で他人の役に立ったと実感できた時の喜びは、勉強嫌いな子にとっては衝撃的な出来事になりますよ、間違いなく。

 ただ、子どもが答えられなかった時に間違っても「勉強しろ」の一言は禁句ですからね。それ言ったら意味ないですから。

別に勉強のことじゃなくても構わない

 上記では学校の勉強のことについて教えてもらうことを書きましたが、何も学校の勉強に限定したことではありません。身近な出来事について「どうしてそうなるんだろうか教えてよ」と問いかけてみたりなど、日常生活のありとあらゆることについて聞いてみる価値はあります。
 むしろ筋金入りの勉強嫌いな子に対しては、その方がよいかもしれません。

 あまりにも難しいことを聞いたら「そんなことググればいいだろっ!!」と素っ気ない返事がくるのがオチなので、子どもが答えられそうな範囲の中で聞いてみる。

 あるいは子どもが大好きなゲームについて聞いてみるのもありだと思いますよ。例えば大人気RPGのあれで、メタルス〇イムっていますよね。そこで例えば「メタルス〇イムのメタルってどういう意味?」とか聞いてみる。ついでに英語のスペルまで聞いてみたりとか。
 たぶんゲーム関連で聞いたらすぐに意味もスペルも覚えますよ。学校の英語の教科書に出てきた場合はおそらく100回位単語を書いてようやく覚えて4、5日後には忘れますが、ゲーム関連で覚えたらずっと覚えていますよ、経験値が高いですからね。

 別にゲームを推奨しているわけじゃないですが、ゲーム自体にも勉強につながる要素は必ずあります。ゲームを目の敵にしている人は、ゲームという文字を見ることも、ゲームという音の響きを聞くことさえも怒りの対象になるみたいですが、それでは大人のゲーム嫌いと子どもの勉強嫌いは同レベルということになりますよね。
 子どもに対して態度や行動の変容を試みるなら、大人も子どもの気持ちに寄り添うように態度や行動の変容を見せる位の覚悟は欲しいものです。

 ちょっと話はズレましたが、大切なことは何か位は伝わったかと思います。

まとめとして

 子どもに成功体験を持たせることはとても大切だということは別の記事でも書きましたが、当然勉強に関する成功体験も大切なことです。そして今回この記事で提案したことはまさに、勉強嫌いの子どもに勉強についての成功体験を持たせるということです。

 繰り返しますがポイントとしては、
・勉強ということをなるべくにおわさずにアプローチすること
・勉強は自分のためにも他人のためにもなることを暗に伝える
・他人の役に立つことで喜びを実感させる
・達成感を経験させる
・日常のあらゆることは勉強につながる

ということになります。

 この記事で提案したのは声かけについてですが、声かけ以外にも上記ポイントを基にした様々なアプローチが考えられます。
 もし子どもの勉強嫌いについて色々思うところがあれば、ポイントを踏まえたうえでご自身でも色々とアプローチを考えてみてください。

 なお子どもの勉強嫌いについては他にも伝えたいことがあるので、今後も記事にしていこうと考えています。