想像力を高めコミュニケーション力をつける方法

 ここ数回にわたりイマジネーションの方の想像力をテーマに書いてきました。
 考えの幅を広げる意味でも人とのつながりを良好にする意味でも、想像力は豊かな方が良いと考えるのは誰もが共通するところだと思います。
 私の記事は、子どもが勉強に向かうための何かのヒントになれればという思いで書いているのですが、想像力は子どもが勉強に向かうための準備や土台作りという意味合いで考えていただければと思います。想像力が働くからそのことが勉強への後押しになり、そして勉強したことがまた新たな想像力を育てる、それが重なりコミュニケーション力も育っていくという感じ。
 もちろん想像力やコミュニケーション力は子どもに限らず大人にだって大切なことですから、この記事を読んで下さている大人の方にも色々と参考になればと思っています。

 さて、タイトルにあげた「想像力を高めコミュニケーション力をつける方法」。
 想像力が乏しいなぁと感じたら鍛えるなり、練習するなり、何らかの行動は起こしておきたいものです。すると何をどうすれば想像力を高められるのかということですが、具体的な方法は沢山あると思います。 例えば、
 本を読む 
 五感を最大限に活用して物事を見る
 人間観察する
 ドラマや映画を観る
 ある1つの事柄を5通りの方法で言い表してみる
  などなど・・・

 ということで想像力を高めるためにこれらのことをやりましょう。



 で終わってしまったらただの薄っぺらい記事になってしまうので、もう1歩踏み込んで、想像力を高めるためのちょっとしたゲームを紹介しようと思います。
 もちろん子どもだけでなく大人にも使えるゲームです。

インプロ

 「ゲーム」というと半ば反射的にスマホやテレビゲームを想像して、「けしからん」とか「ゲームと勉強はどんな意味があるんですか!!」だなんて怒り心頭でクレームをつける人もいますが(もっともゲームと言っただけで怒り出すのもまたある意味すごい想像力なんですが)、ここで言うゲームとはインプロのことです。

 インプロとはインプロヴィゼーションの略で即興劇という意味があります。元々は役者さんが演技のトレーニングとしてやっていたことなんですが、色々な研究により単なるトレーニングとしてだけでなく、福祉のカウンセリング場面や教育、対人コミュニケーションなどあらゆる場面で良い影響が作り出されているということがわかっています。

 即興というだけあって、その場その場の一瞬の判断が大切。もちろん想像力がものを言います。やってみると意外に難しかったりするインプロゲーム。
 
 インプロゲームと言っても体を動かすものや頭で考えるものなどたくさんの種類がありますが、ここではかつて私がカウンセリングの勉強をしていた時に体験した、コミュニケーションを重視したインプロゲームを紹介します。

否定語禁止インプロゲーム 『Yes and…』

やり方

  • 2人でもできるが10人位いると面白い(できれば面識がない人の集まりの方がより面白い)
  • 人数に上限はないが、7〜15人程度が丁度よい
  • 全員が顔を見せ合える様に円形になって座る
  • 最初の1人(Aさん)が「○○に□□で△△しよう」と隣にいる人(Bさん)に自由に提案する。いつ、どこで、何をするのかにあたる言葉を必ず含める。(現実的には実現不可能な事でもOK。とにかく自由に提案する)
  • 提案を受けたBさんは、その内容が何であろうと必ずその提案を肯定する。そして○○か□□か△△について、どれでもいいので自分の感想や意見をポジティブな表現で言う。
  • 今度はBさんが隣にいる人(Cさん)に同様に提案する。この時Bさんは、Aさんが言った○○か□□か△△のうちのどれか1つだけを受け継ぐ形で提案する。
  • CさんはBさんのことを肯定して、Bさんの提案を1つ受け継ぐ形でDさんへ同様に提案する。
  • 以後その繰り返し。全体で20〜30回位のやり取りが時間的に丁度良い印象

ルール

  • 否定表現、ネガティブワードの使用は禁止。感想をいう時や提案する時に使ったら負け。
    (例)でも、だって、しかし、ちがう、だめ、いや、~ない、っていうか、反対に、逆に、 等々
  • 即興性が大切なので、5秒話がとまったら負け。
  • 感想や提案は必ずポジティブなものにする。
  • 内容は即興性が大切で、非現実的な内容でもかまわない。
  • どんなに非現実的な提案でも必ず肯定し感想を言う。

 この例で、BさんはAさんのお昼ご飯について引き継いでいますが、「あした」や「公園」を引き継いで進めることもできます。

 例えば、
 「公園いいね。公園には鳩がたくさんいるから鳩と友達になれそうだよね。鳩と友達になれたら新橋の焼き鳥屋さんに連れていってあげようよ!!」
 てな具合。

意外と難しいインプロ

 実際にやってみるとかなりの想像力が必要だとわかります。
 そして肯定表現をするのは意外と難しいことも実感できると思います。それはつまり、「人を褒めることは実は難しい」ということも実感できると思います。
 さらに、人は無意識的に否定表現やネガティブ表現を多用していることにも気づけると思います。否定表現やネガティブ表現が及ぼす影響については別の記事で書いてあるのでここでは割愛しますが、人との関係が何だかギクシャクするなぁと感じたときは、自分では気づいていない所で否定表現を使って相手を不快にさせてしまっているのかもしれません。

 実際に私が体験してみて感想はいろいろとあるのですが、ここで私が感想のすべてを書いてしまうと読んでくださっているあなたに先入観を持たせた状態になってしまうので、あえてこれ以上の私の感想は書かないでおきます。

 ここで紹介したインプロゲームは小学生には少し難しいですが、少しアレンジすれば小学生でも対応できると思います。
 学校や職場、何かのサークルなど人がそこそこ集まる場であれば楽しめるので、コミュニケーション力や対人スキルをレベルアップする意味でもぜひ試してみてください。