想像力が豊かな人の特徴

 人の個性の1つである想像力。想像力がないからといってとりわけ社会で困るなどということはないですが、日常の社会でそこそこうまくいっている人はそこそこ想像力が豊かな傾向がある様に感じます。想像力が豊かだと色々と先のことを考え行動に移すことができるものです。そう考えると仕事ができる人は想像力が豊かなんでしょうね。
 学習塾の講師として子どもたちと関わってきて感じることは、そこそこ勉強ができる生徒はそこそこ想像力が豊かな傾向があります。もっとも想像力が豊かだからといって必ずしも勉強ができるとは断言できませんが、でも逆に勉強を苦手にしている生徒は想像力に乏しい傾向がある、これは私の経験から間違いなく言えます。

 すると、子どもの学力を上げたいとか勉強に向かう姿勢を育てたいと考えるならば、成績がどうのこうの論じるよりもまず、子どもの想像力を育てるのが必須といえるのではないでしょうか。

 ということで今回から数回に分けて想像力について書いていきます。その初回である今回は、想像力が豊かな人の特徴を私の経験を踏まえ考えてみます。

特徴1 他者の気持ちをとらえるのが上手い

 想像力が豊かな人は、豊かであるがゆえに柔軟な考え方ができます。そして柔軟な考え方ができるから、物の見方や考え方の幅が広い。だから斬新な考えや発想が出てきます。それはつまり、物事を1点から見続けるのではなく様々な角度から見ることができる人だといえます。
 様々な角度から見ることができるということは、他者の気持ちになって考えることができるということにもなってきます。

 仕事ができる人はこのことが間違いなく上手いです。そして説明することも上手いです。
 説明が上手いことの理由はおそらく、他者の気持ちになれることで問題を一緒になって解決する姿勢ができ、自分の考えと相手の考えを上手くまとめ整理することができるようになってくる。その結果として説明が上手くできるようになっていくのだと考えられます。
 説明することが自分の勉強にもなり、そこからさらに物の見方や考え方が深まっていく。だから他者の考え方も色々と想像できるようになる。この循環ができているように感じます。

 勉強ができる生徒もやはり同様の傾向があります。だから説明することが上手い。その結果さらに自分自身の理解が深まってくる。理解が深まるから自信もついて余裕も出てくる。それが他者の気持ちをとらえることになって・・・と循環してく。
 そう考えると子どもが勉強に向かう姿勢を育てるにはまず準備段階として、子どもの想像力を育てていく環境を整えることが大切だと言えそうです。

特徴2 斬新な発想ができる

 斬新というと少し大げさですが、でも変に常識にとらわれたり固定観念にとらわれたりすることなく、自由に考えることができるのも特徴としてあります。ユーモアセンスがあるといっても良いかもしれません。
 柔軟な考え方ができるからこそ斬新な発想へとつながるものと考えられます。

特徴3 好奇心が旺盛

 色々なことに興味・関心を持っている。だから色々なことにチャレンジしている。しかもそのチャレンジを楽しみながらやっている。これも特徴にあげられます。
 好奇心が旺盛ということは、自分の心の中から本当にやってみたいと思っていることをやる状態、つまり内発的動機づけが高まった状態ですから、そこから積極的に様々なことを学べます。自ら学んだことは間違いなく自分の知識となります。その知識が、想像力へとつながっていくのでしょうね。

 となると、子どもが勉強に向かう姿勢を育てるには子どもの好奇心を大切にする、子どもの興味・関心の範囲を広げていくことも大切だといえそうです。

特徴4 感が鋭い

 これは好奇心が旺盛であることの延長上にあると考えられます。色々なことにチャレンジするからその分、経験値が上がります。経験があれば、言葉にできないほどの微妙な変化についても何となく気づけたりしてきます。
 なので最悪な状況を未然に回避することもできるようになってくる。感が鋭く想像力が豊かであれば、普通はあまり気づかないようなことでも、本人も気づかないうちに自然と最悪な状況を回避していく能力ができてくる。そのように感じます。

想像力が豊かなら心の柔軟性がある

 どうして勉強しないといけないの? という疑問を子どもの頃に1度は持ったと思います。その疑問に対する答えは人それぞれ違うと思いますが、答えの1つに「心の柔軟性を育てる」というのもあると思います。
 上記の特徴をまとめてここでは心の柔軟性と書きました。

 子どもの勉強というとつい成績に目が行きがちですが、成績にこだわりすぎて周りが見えなくなってしまうとどうなるか?
 上記にあげた特徴の真逆に進むことになるのではないでしょうか。

 子どもの勉強を考える際は、常に想像力をどう育てるかを意識しておくことが必要だと思われます。そして子どもの想像力を育てる基盤は家庭にあると感じるのです。




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