高校入試面接でよく聞かれる質問と回答例

③高校入試面接でよく聞かれる質問とは?

「入試の面接では何を聞かれるのだろう?」「上手く言えるか?」
 必要以上にこれらのことを考えると、どうしても不安を感じたりや緊張したりします。

 逆い言えば、面接で何を聞かれるかがある程度分かれば、それに対して対策ができるから不安や緊張も軽減できるはずです。

 ということでここでは、高校入試の面接でよく聞かれる質問とその模範回答とNG回答の例を挙げ、面接官の先生にできるだけ好印象を与えられるようにするにはどのように回答すればよいかを紹介します。

 なお最初に断っておきますが、ここで紹介する回答例はあくまでも参考例。なのでそれを一字一句丸暗記することはしないでください。
 面接ですべき回答はあなた自身のこと。だから10人生徒がいたら10通りの回答が出てくるはずです。10人ともこのサイトで紹介した回答をそのまんましたら瞬時にバレます。「こいつTOI学習会のサイトを暗記してきやがったな!!」と。

志望理由

 志望理由はどの学校を受験しても必ず聞かれます。なぜその学校に入学したいと思ったのかを自分の言葉でしっかりアピールしましょう。

好印象を与えるポイント

 学校の特徴と自分の関心事が合っているときはそれをアピールしましょう。
 特に「自分がやりたいと思うことが、その学校でないと実現できない」ということがあれば、それを積極的にアピールしましょう。

 例えばあなたは天体観測に興味があるとする。その学校は天文部で有名だったとする。そうしたら、
「私の趣味は天体観測で、将来は天体に関するの職に就きたいと考えています。御校に入学の際は天文部に入部し、将来の道に役立てていきたいと考えています。御校の授業では数学や理科を中心に深く学び、勉学と部活の両立をしながらスキルアップをしていきたいと思います。」

 例えばあなたはフランス語に興味があったとする。その学校はフランス語の授業があったとする。そうしたら、
「私はフランス語にも関心があります。これからの時代は英語のほかにもう1つ外国語を習得していると、より多くの場面で活躍できると考えています。御校ではフランス語の授業があるのでよりいっそう語学力を高めたく思い志望しました。」

 ただ、「部活をやりたい」「授業を受けたい」ではなく、「○○だから」と理由を添えること。それにより説得力が増します。説得力があればそれだけ好印象を残せるものです。

NG回答

 「家から近いから」
 「自分の実力で行けそうな学校だから」
 「何となく」
 「他に良い学校がなかったから」

 これらの回答はしない方が賢明です。偽りのない最も正直な意見だとしても言わない方が賢明です。
 学校側からしたら「わざわざうちに来る必要ないじゃん」となります。好印象どころか面接で落とされる危険も出てきます。ヤバいです、ヤバすぎます。

 なぜNGか? 恋愛で告白される状況を考えればわかります
 あなたが見ず知らずの人から告白されたとします。その時「私(俺)の何が気に入ったのですか?」と聞いてその回答が、「家から近くに住んでいるから」とか「俺(私)の実力でならお前をオトせそうだから」、「何となく」「他に良い女(男)がいなかったから」なんて言われたら100%フリますよね。はり手の一撃もお見舞いすると思います。
 理由として結構失礼ですよね。

 だから上記の回答はやめましょう。

 ただ、家の事情などでどうしても近所の学校でないと通えないというなら、しっかりと理由を添えて「家から近いから」と回答するのは良いでしょう。

入学後に頑張っていきたいことは?

 志望理由につながってきますので、志望理由で説明しきれなかったことを補足する形で答えれば良いです。
 もちろんそれ以外にやりたいことがあればそれを答えていけば大丈夫です。

NG回答

「ありません」・・・やる気のない奴と思われます。危険すぎます。
「勉強です」・・・勉強を頑張るのは当たり前です。勉強を頑張るなら、その理由を添えておきたいものです。
「部活です」・・・勉強と同様、理由を添えたいものです。
「バイトです」・・・「当校はバイト禁止です」と言われたらアウトです。

長所・短所

 志望動機と並び、どこの学校を受験しても間違いなく聞かれます。自分をしっかり振り返って答えられるようにしておきましょう。

 長所はあなたの売りです。「粘り強い」「努力する」「集中力が高い」「運動が得意」「掃除を一生懸命やる」「誰とでも仲良くなれる」「色々なことに興味関心がある」などなど、自分の良さをがんがんアピールしましょう。遠慮はいりません。
 
 この時、どんなに些細な事でも構わないので、中学校時代のエピソードと関連させながら話すとより説得力が出ます

 短所は否定的内容になりがちです。なので、否定的なことを言ったらそれをカバーするように肯定的な内容を付け加えましょう。前頁でも書きましたが、短所を言ったらそれとほぼ同内容のポジティブな事柄に置き換えて言い直すのも一つの手です。
 例えば「私には頑固な一面があり、物事を手際よく進めることができない時があります。でもそれは強い意志の表れでもあるので、個性として尊重しています。」

 頑固というと、いかにも固くて話が通じない人という印象がありますが、それを「強い意志」とポジティブに捉えることで頑固の否定的な部分を薄めています。

NG回答

「嘘まみれの長所」・・・嘘について突っ込まれたらさらに嘘で塗り固めることになります。危険度MAX。
「他者と比較したうえで、他者を落としめることで相対的に自分の良さを高めること」・・・聞かされる側としては不快感を持ちます。人間性も疑われます。やめましょう、面接に限らず日常においても。

中学時代に頑張ったこと・身につけたこと

 これも些細なことで良いからアピールしましょう。
 生徒会活動をやっていたなら十分アピールポイントになります。
 部活で責任ある立場を任されていたならそれもアピールしましょう。
 勉強を頑張ったなら、何をどのように頑張ったのかをエピソードを添えて伝えましょう。
 
 課外活動や勉強などで特に思いつかないなら、「遅刻はしませんでした」とか「皆勤です」「忘れ物をしませんでした」「掃除をきちんとしました」などでも大丈夫です。
 ただ、それだけでは少しパンチが弱いので、それによってどのような良いことがあったか、周りはどのように喜んだかなどを話に加え、ストーリー性を持たせると話に現実味が出てきます。
 例えば、「私は忘れ物をしない様に気をつけていたので、注意力が増したように感じています。注意力が増したので何事にも余裕をもって取り組めるようになりました。」の様に。

 ぶっちゃけた話、中学時代に頑張ったことなんて確認の取りようがありません。つまりウソも何とか通せるということ。ウソをつくことなんて推奨しませんが、少し自分を盛って話す位ならどうってことはありません

当校(受験する高校のこと)の文化祭や学校説明会に参加しましたか?

 これは正直に答えましょう。参加していなければ素直に「参加していません」と。
 参加したと答えたらまず間違えなく「学校の印象」を聞かれます。

 「参加していません」と答えたら、高校側としてもあまり良い印象にはならないでしょう。でもウソをついて気まずくなるくらいなら正直でいた方がずっと良いです。なので受験する高校の印象を聞かれても良い様に、パンフレットや学校のHPはしっかり確認しておきましょう。

 これは実際に私が受験した高校の面接で聞かれたものです。私は文化祭にお邪魔していたので難なく本当のことを答えられましたが、文化祭に参加していなかったらと思うとゾッとします。
 コロナ禍においては学校行事自体がなくなって、なかなか学校を直接観ることもできないかもしれませんが、機会があるときにはぜひ説明会などに参加することをお勧めします。
 もしかしたらちょっとした嬉しい情報も聞けるかもしれません。

最近のニュースや社会の出来事で気になることはありますか?

 社会にどれだけ関心があるかを聞いている質問です。
 とは言え正直な所、中学生のうちから社会に大きな関心を持っている生徒は少ないです。
 だから回答に困ります。そしてそこにポイントがあります。

 高校側としては、わざと回答に困る質問や難しい質問をしてくる場合があります。
 「そしてその状況にどうやって対応するか?」
 そこを見るわけです。

 もちろん関心ごとがあればそれを答えれば良いし、自分の意見を言えるほど問題意識を持っているならそれを正直に伝えれば良いでしょう。

 でもどうしても答えられない場合も出てくると思います。
 そういう時は「少しお時間をください」と言って、考える時間をもらうと良いでしょう。

 時間がかかりすぎると面接官から「もういいです」と冷たい対応が待っているかもしれませんが、落ち込む必要はありません。

 そもそも回答に困る質問をしている時点で、生徒が回答できるなんて思ってません。
 どう対応するかを見たいので、 「少しお時間をください」 と反応したら十分アピールできてます。

 ただこの質問は定番といえば定番なので、日頃から社会に関心の目を向けておいた方が良いのは確かです。
 

まとめとして

 高校入試の面接でよく聞かれるものを挙げました。
 どの質問についてもそうですが、学校が求めている生徒像とあなたがどれだけ合っているかが大切になってきます。
 
 つまり学校側があなたを不適切と判断すれば不合格になります。
 でも逆に面接を受けてみて、あなたがその学校について「合わない」と感じたなら、あなたがその学校を不合格と判断することもできるわけです。つまり入学を辞退することも可能なわけです。

 せっかく義務教育でもない高校に行くのなら、学校もあなたも、お互いに良い関係でいたいじゃないですか。もしお互いが悪印象だったのに高校に入学したら、その3年間はお互いにとってちょっと辛いと思うんですね。

お互いの辛い関係を未然に防ぐために、面接をやって相性を確かめる。

 面接ってこういうことだと思うんです。

 だからウソで塗り固めた自分をアピールしたって、良いことにはつながってこないはずなんです。むしろウソをついたことによって高校に合格して通うことになったら、3年間自分で自分の首を絞めるなんて事だって無いとは言い切れない。そんなのは絶対に嫌じゃないですか。

 面接対策とはいうけど、本当は対策ではなく相性の確認をするための準備作業
 もし対策ということで面接を考えるなら、高校に対して偽りの自分をアピールするための画策だとも思うのです。

 好きな人への告白対策というとどう感じるか。
 告白対策をしたうえで告白してきたと知ったら、告白される人はどう感じると思います?
 たぶん引きますよねぇ。ドン引きのはずです。
 自然体で告白された方がずっと嬉しいはずです。

 高校入試の面接だって同じ。自然体でいる生徒の方が面接官から見ても好感が持てますよ。

 それに面接はみんな緊張してガチガチ。みんな対策をしてセリフの棒読みのような受け答えをする。そんな中あなた1人が自然体で面接を受けていたら、それこそ好印象を与えられます。

 面接は高校との相性確認。そう考えればムダな緊張から解放されると思うのです。





②どんなことを身につけておくと良いかは 前ページ