自由研究のテーマに悩んだら卵焼きを作れ

 夏休みになると出される宿題の1つ「自由研究」。
 正直なところ、困りますよね。「自由」であるがゆえにテーマの範囲が広すぎて何をしてよいかが分からずに悩んでしまう。

 予め何らかのお題が与えられればそれに従って取り組もうとも考えられるのですが、本当に「自由」とされてしまうと何をどのように進めれば良いか、本当に迷ってしまいます。

 もっとも、「自由研究なんてやりたくねぇよ、てかやってられるか!!」って人にとっては、なおのこと苦痛の対象でしかないのが正直なところだと思います。

 私も小学校、中学校の時は自由研究に泣かされました。もう本当に何をやればいいかが思いつかないんです。で、夏休みに終わりころになって、「あれをネタに自由研究をやれば良かった・・・」なんてふと感じるんですよね。
 おそらく私と同じような人、多いと思います。

 ということでここでは、私の悔しい経験をもとに「こんな自由研究をやってみたら面白いんじゃないですか?」という提案をしてみます。

 自由研究なんだから自由。縛りがないんだから自由。理科に囚われることなく、どの教科の内容だろうが自由。とにかく自由。そんなスタンスで提案します。(決してふざけた内容ではないですからね)
 自由研究というと「理科的な内容で進めなければならない」と無意識的に考える人も多いと思います。でも特に学校から指示がない限りそんなことはありません。

卵焼きを科学する

 ということで1つ目の提案はズバリ「卵焼きを作る」です。

「卵焼きなんて簡単にできる」って思いますよね? だからそれをテーマにするんです。
 実際、卵焼きを作ること自体は簡単ですよ。卵を溶いて焼けば良いんだから。味付けしたければ適当に調味料とかを入れればいいんだし。

 でも簡単だから奥が深い。たかが卵焼き。されど卵焼き。着眼点はいくつもあります。

味付けに関する研究

 作るからには美味しく作りたいですよね? じゃあその美味しいというのは、どのような状態をもって美味しいというのか?
 美味しいと感じる基準というのは人それぞれ違うはずなんですね。例えば同じ塩の量だったとしても、Aさんにとっては丁度良い塩加減だったとしてもBさんにとっては物足りなく感じるかもしれない。Cさんにしてみれば塩からくて仕方ないと感じるかもしれません。

 すると「より多く人にとって美味しいと感じられる塩の量はどの位なのか?」という疑問が出てきます。卵1個に対して塩の量をどれ位にすると最もおいしいと感じられるのか。
 これをデータとして残すのは立派な研究になりますよ。

 そして当然味付けは塩だけではないですよね。ほかにも調味料を入れると思います。ということは、おいしさと調味料の関係なんかも研究できそうです。例えば塩と砂糖はどのくらいの割合で混ぜるとちょうど良い味付けになるのか、なんていうのは貴重なデータになります。

 データを取るという意味で多くの人に食べてもらうという手間はかかりますが、これを発展させると味覚の研究につなげることができます。
 例えば塩味は口のどの部分で感じるのかや、甘みはどの部分で感じるのかなど。そこからさらに発展させた研究もできると思います。

食感に関する研究

 卵焼きを硬めに仕上げるのか、柔らかく仕上げるのか、トロトロの半熟状態に仕上げるのか、ふわふわの状態に仕上げるのか。仕上がりの感触の違いについて研究することもできますよね。

 それぞれの状態に仕上げるのにはどのような火加減にすればよいか、わかりますか?
 わからないならそれを解明するのは立派な実験になりますよね。
 強火なのか弱火なのか、加熱時間はどれくらいにするのか、フライパンの表面温度はどれくらいにするのか・・・。
 色々な条件が考えられます。それぞれの条件下で作ると仕上がりも違ってくるはずです。

 「硬めにするには火加減や温度のほかに何か条件はあるのか」とか、「ふわふわにするにはただ焼くだけでなく、何かを加えると良いのか」とか、食感の違いを作るためにどのようなことをすれば良いのかを研究するのも面白いと思います。

 そこから、なぜそのような食感になるのかの理由を解明していけば、それはもう立派な理科の実験・研究です。

 ちなみにマヨネーズを加えるとふわふわに仕上がるらしいです。
 すると、なぜマヨネーズを加えるとふわふわになるのかという疑問も出てきますよね?
 それを研究してみるのも面白そうです。

 それから、パンケーキを膨らませるために重曹を使いますが、卵焼きで重曹を入れるとどうなるのかも試してみる価値はあると思います。

レシピを作る

 自分好みの味付け、自分好みの食感を作れるようになったら、今度はレシピを作ってみましょう。
 レシピとは作り方のことですがここで重要なのが、 

同じ条件であれば誰が作っても同じ卵焼きに仕上がる

ということ。

 同じ卵焼きに仕上がるというのが大切です。同じ卵焼きに仕上がらなければそれはレシピではありません。
 繰り返しますが、「同じ条件で同じ作り方をすれば誰でも同じものが作れる」というのがレシピです。なのでレシピは言い方を変えればマニュアル、説明書、と言えるかもしれません。

 でもよく考えたら料理って理科の実験そのものだと思いませんか?

 ガスバーナー、鉄板、薬さじ、ビーカー、食塩、卵、砂糖なんて書かれるといかにも理科の実験らしくてウンザリしますが、家庭用ガスコンロ、フライパン、計量スプーン、計量カップ、塩、たまご、砂糖というように書けばなんとなく楽しい料理って感じがしますよね、ほぼほぼ同じことを書いているのに。

 学校の理科の実験なんかは必要な道具や機材、材料、薬品などをそろえ、量などもきっちり計算して、教科書通りに進めれば、みんなが同じ結果を得られるじゃないですか。これはマニュアルが整っているからこそなんですね。つまりレシピがしっかりできているということ。

 なので自由研究として卵焼きを作るのであれば、誰でも再現できるように詳しくレシピを紹介していきましょう。まぁここは自由研究だから気持ち程度でいいので理科っぽくマニュアルを作る感じで。

まとめとして

 ここでは自由研究のテーマとして卵焼き作りを提案しました。
 ここで詳しく作り方や必要なもの、手順、着目点などを書いてしまうと自由研究にならなくなってしまうので、あえてここでは触れません。
 自分で考えて必要なものを準備して手順を考えてください。

 自分で考えたこと、思ったこと、疑問を持ったこと、納得できたもの、解ったもの、全てがあなたにとっての自由研究の成果です。だからそこに正解も不正解もない。当然失敗だってない。
 強いて言えば、取り組んでみたこと自体が正解で成功なわけです。

 そう考えると、自由研究は決して重苦しいものではなく、気楽にできる面白いものだと思えますよね。
 自由研究を何にしようか迷っている人は、この記事の内容を参考にしてみてください。
 もちろんそこから色々とアレンジしてみるのも結構です。