テストを受ければ常に高得点を取れるという生徒はどの学校にもいると思います。そんな生徒に「普段からしっかり勉強しているんだね」と声をかけると、だいたい生徒からは「そんなに勉強してませんよ」なんて答えが返ってきたりします。たまにですが、「先生の教え方が上手いからすごく理解できました」なんて言ってくれる対人スキルでも高得点の生徒もいます。そう言ってくれるとこちらとしてもものすっげ〜〜嬉しいのでちょっと生徒にご飯をご馳走してあげ・・・、あ、いや違う違う。
テストでいつも良い結果を残せる生徒は、生徒が何と答えようがやっぱり普段からしっかり勉強しているものです。そしてそういう生徒は勉強方法についてどこか共通している所もあったりします。
その一方で、一応勉強時間は確保している。それなりに机にも向かってはいる。だから勉強していないわけではない。でも結果が伴わないという生徒がいるのもまた確か。同じ勉強時間を確保し扱う問題も同じでありながら、なぜか差が出てくる。
当然ですが、結果を残せる生徒と残せない生徒にはどこかに違いがあります。
ここでは私が今まで見てきた生徒で、良い成績を残してきた生徒はどのような勉強方法を取っていたのかを簡単にまとめてみます。
テスト近くなっても勉強に今一つ集中できなかったり、勉強はしているのにどうも結果が伴わないで困っている、やるべきことがいっぱいあって気が滅入ってしまった、という生徒は息抜きがてら読んでみて下さい。もちろん子どもの勉強で困っている保護者の方も参考程度に目を通してみて下さい。
学校の提出物を繰り返し解いている
まぁ、提出物だからやるのは当然。なんでしょうが、提出物に取り組む考え方が違います。根本的に違うと言っても良いくらいです。
結果を残す生徒は提出物だからこそ、テスト問題がそこから出題されるかもしれないと考えて取り組みます。だからまず自分の頭で必ず考えるんですね。で、考えるから実際にテストに出たらその分有利になります。しかも1回解いて終わりではなく、2度3度と繰り返しているんですね。1回目だと多少時間はかかっても、繰り返すことでパターンを身につけられるから2回目以降は意外と早く終わったりします。だからやっている回数の割にはあまり時間はかかっていないんです。
一方結果を残せない生徒は、提出物だからやるというメンタリティーでいることが多いように感じます。そして答えを見ながらやる。「答えの転写作業」をです。でしかも1回転写作業をやったらそれで終わり。つまり自分の頭で考えないんですね。
それでは結果が出ないのは当たり前です。残念ながら。
しかも結果を残せない生徒の共通点として、転写作業を4、5問やったら「手が痛てぇ〜」とか何とか言って手首を振ったり、ペン回しを始めたりしますから。そんなヒマがあるならその分5、6問転写作業できるだろっとか思います。
もうこの時点で差がつくんですね。時間にしたら数分、いや、数十秒程度です。この数十秒を結果を残す生徒は考えることに使えますが、残せない生徒はペン回しに使います。そしてだいたい10回位回しているとペンを落とします。
結果を残せない生徒が一通り転写作業を終える頃には、結果を残す生徒は2回目の解き直しに入っています。
時間の使い方が上手い
結果を残す生徒は、誰に言われるまでもなくメリハリをつけた計画を立てます。この計画というのは、意図的に立てたというよりかはむしろ、無意識的にそういう行動ができているといった感じです。
例えば休憩時間の取り方。「ここまでやったら休憩しよう」とある程度の目星をつけてから勉強に取り組みます。それは自分で決めたことだから、やっぱり集中するんですね。たぶん誰かからここまでやったら休憩しろなどと言われたら、そこまでの集中は出来ないと思うんです。
そして休憩中は思いっきりリラックスするんです。それこそ一部の人は目の色変えて怒り出すゲームをやったりします。でもそのゲームも自分で決めた休憩時間が終わったらピタッと止めて勉強に戻れるんです。これってやっぱりすごいことだと思いますよ。
時間の使い方が上手い理由はいろいろあると思います。ただ1つ私が思うのは、息抜きすることが保証されている環境というのは大事だと思うのです。私が見てきた結果を残す生徒の多くは、やっぱりゲームやってます。むしろ結果を残す生徒からは「ゲーム禁止された」なんてセリフは聞いたことがありません。
逆に「ゲーム禁止」にされているのは大概結果を残せない生徒です。勉強しないからゲームを取り上げるというのは保護者の心情的には理解できます。でもゲームを禁止するということは、子どもの息抜きの手段を取り上げているというふうに考えることもありではないでしょうか?
ゲームを取り上げて勉強時間に回させようとするくらいなら、時間の使い方を家庭で話し合う位のことはした方がよろしいかと。
あれもこれもと手をつけない
意外かもしれませんが、結果を残す生徒は限られた教材の中で何度も反復しながら勉強しています。むやみやたらと色々な問題集に手を出したりしません。まさに一途にその問題集を好んでいるかのようです。
逆に結果を残せない生徒は、1つ終わるとすぐ別の問題集をやり始めようとします。例えるなら、1つの問題から10得られるものがあったとしても3位しか得られず、残りの7はその存在にすら気づいていないという感じ。その段階で次のものに取りかかろうとします。もっと深く見ていけばもっと大事なことに気づけるかもしれないのにです。でも本人はそれで勉強した気になってしまっているからタチが悪い。
やたらと問題集の進みが速い生徒は、あれこれと問題集に浮気しているのかもしれません。浮気するとロクなことが無いのは勉強の世界でも同じです。
ざっと3点あげてみました。他にもあると思いますが、私が見てきた生徒をぱっと振り返って見るとこれらのことが思い浮かびました。
勉強しているのにどうも結果が伴わないと考えている人は、ちょっと参考にしてみて下さい。何か大切な発見があるかもしれません。