失敗しない塾探し こんな塾はやめておけ!! 

 かなりリスクのあるタイトルですが、塾業界に身を置くものとしてぜひともお子さんに合った塾を選んでいただきたいとの思いから書いていきます。私自身の首を絞めることも覚悟のうえで書きます。
 
 新学期前ともなれば、子どもをどの塾に通わせようかと考える機会も増えてくると思います。
 塾にはいろいろな授業スタイル指導のポリシーがあるので、それらのことを踏まえて塾を探すのが大切です。

 単に学費が安いからとか、時間に融通が利くから便利で通わせる、住まいから近いからなど、表面的なことだけにとらわれて塾を選んでしまうと、結果として金額的なことはもちろん心理的な面でも高い出費になってしまいます。
 塾探しで失敗しないためには、その塾の本質的な部分をしっかり見極めることが大切といえます。

 ではその本質的な部分とはどういうことか?

 それは、その塾の教育観といってよいと思います。
 教育観と言ってしまうとかなり難しいことのように感じますが、ざっくり言えば「子どもたちとどのように関わるか」ということ。このことを全く考慮に入れずに塾を選んでしまうと、子どもの成績のみならず子どもの将来にまで影響を及ぼしてしまうことだってあり得ます。

 ここでは塾探しで失敗しないためのヒントとして、
「こんな教育観の塾に通わせるのはやめておけ!!」 
という事柄を3点挙げていきます。

 なお先に断っておきますが、警察沙汰の問題を起こす人間が運営している塾は言うまでもなく通わせない方が良い塾で、そのように常識で考えて当然の事柄はここでは書かないで進めます。
 ここで挙げるものは法的・社会的には何ら問題のない事柄で、入塾説明会でさらっと塾の話を聞いたら誰もが納得してしまうようなことを言う塾のことです。でもそのさらっとの内容が実は子どもに後々に悪影響を与えてしまうかもしれないようなもので、入塾説明会などで話を聞いている最中には気づきにくい事でもあります。

決めつけが激しい講師

 例えば、私が次のようなことを言ったとします。そうしたらあなたはどう思いますか?

 「女の子は競争が好きだから、勉強するときも女の子同士でいっぱい競争させた方が良い。競争させるために教材も宿題もたくさん与えるべきだ」

 これ、あくまでも例えばの話ですからね。
 ここだけ切り取られて色々言われるのもいやなのでもう一度書きます。
 「あくまでも例えばの話です」

 こんなこと言われたらほとんどの人は、「ふざけるな!!」と思いますよね。中には女性蔑視だなんて言ってくる人もいるかもしれません。最悪、私が塾講師辞職まで追いつめられるかもしれません。

 この論調が危険なのは何となく想像つくかと思います。
 女子だから云々ではなく、決めつけが激しいからです。そりゃね、競争が好きな女の子だっていますよ。でも逆に嫌いな子だっているわけです。その嫌いな子に対して無理やり競争させる環境に置いたら、間違いなくその子は潰れますよ。当然勉強に対して良いイメージなんか持つわけないし、仮に勉強に取り組んだとしても嫌々やるのは火を見るより明らかなわけです。



 まぁ、ここまでは完全なフィクションですからどのような反応があるかも私の想像でしかないのですが・・・。

 さて、次に書くのは実話です。かつて実際に私が聞いたリアルな事柄です。これを聞いたらあなたはどう思いますか?

 心をニュートラルにして読んでください。

「男の子は競争が好きだから、勉強するときも男の子同士でいっぱい競争させた方が良い。競争させるために教材も宿題もたくさん与えるべきだ」

 これ、実話ですからね。
 納得しますか? それとも言ってることがおかしいと思いますか?

 先の文と全く同じです。女の子が男の子に変わっただけです。当然男子にだって競争が好きな子もいれば嫌いな子だっているわけです。
 もし納得するというなら、競争が嫌いな男の子の身になって考えてみてくださいね。その環境は恐怖でしかないはずです。「もう塾に行きたくない」と言い出すのも時間の問題です。

 さあここで考えてください。
 先の女の子の文で、「これおかしいだろっ」と思った方。男の子の文でも「おかしい」と思いましたか?
 女の子の文で「おかしい」と思いながら男の子の文で「その通り」と思った方はいませんか? もしいたとしたらそれはちょっと・・・。

 私は男性論女性論を語る立場にないので深入りはしませんが、実際に「男の子は競争が・・・」の論調で教育に携わっていた人物がいたんです。女性で。

 かつて私がボランティアとして学習指導を担当した時の、その教室の責任者がその女性でした。
 その言葉通りのスタンスで教室運営をしていたその責任者。残念ながら一度自分の考えを持つと周りを見れなくなってしまう人でした。まさに決めつけが激しい人。その証拠に、そのボランティアの学習教室に来なくなってしまった男子生徒が数名。1人ではなく数名ですよ。
 その男子生徒はちょっと勉強が苦手な子で、その苦手な勉強で競争させられることに不満を持っていました(彼らは私にそのことを話してくれていた)。
 でも責任者のその女性は気づけなかった。私がそのことを伝えても信じようとしなかったし、「男の子は・・・」論に囚われていた。

 決めつけが激しい人が運営する塾に通うと、このような悲劇が実際にあり得るのです。

 ここでディスるのは良くないと承知しつつもあえて言うと、その女性責任者は教育ド素人で教育に携わる素質はありません。(ただ、ド素人でも問題意識を持ち自分を高めていく姿勢、改善する姿勢、学ぶ姿勢があれば教育の場にいても問題ないです。というよりそういう姿勢がある人が教育の場にはふさわしい。)
 
 1人でも生徒が学習教室に参加しなくなったらそれは大問題な事案で、何が原因でそうなったのかを振り返り改善していくことが必須です。なのに、それをせず己の凝り固まった思考と決めつけで、生徒に負担をかけていた。その結果生徒は参加しないという選択をした。
 法律でこそ罪にはなりませんけど、学習教室運営の視点でこれは大罪ですからね。
 
 これは過去の実話ですが、風のたよりによるとその女性責任者、都内のとある区で小学生相手に英会話教室を経営しているんだとか・・・。
 どうせまたあれこれ競争させて勉強嫌いの子を量産してるんだろぅ。

 と、愚痴も入ってしまいましたが、「決めつけが激しい人間が運営する塾は思わぬ悲劇が待ち受けているリスクがある」ということは念頭に入れておいてください。

 塾の説明会で教室責任者と話す機会があると思いますが、その時に教室責任者の人柄をよく見ておくことはとても重要です。堅物か、柔軟性のある人か、ユーモアを大事にする人か、その辺りはチェックが意外と疎かになるので、塾探しの際には少し念頭に入れておいてください。

理念が抽象的で具体性に欠ける

 理念が抽象的になってしまうのは仕方ないことですが、その理念を具体的に説明できないのならやはりその塾へ通わせるのは少し慎重になった方が良いです。

 例えばよくあるフレーズで、

学習習慣の定着

というやつ。(私も使うフレーズなんですが・・・)

 これもかなり抽象的なものです。
 そもそも何をもって学習習慣とするのか?

 まぁたぶんほとんどの人は、「家で毎日決まった時間に子どもが自分から勉強に取り組むこと」と考えるでしょうね。

 通わせるかどうかお考えの塾が「学習習慣の定着」をうたっている場合は、「習慣化させるための具体的方法」について質問することをお勧めします。

 ここで1つ注意点

 もし「習慣づけるために宿題を大量に出します」なんて言ったら、それは習慣にならないですからね。
 どういうことか?

 習慣は、「自分から自然と」という意味合いのはずです。一方宿題「強制」の面が強い。
 すると「学習習慣をつけるために宿題を大量に出します」というのは矛盾した内容になるんです。
 「学習を自分からやるようにするためにたくさん強制をします」
と言っているのと同じですから。

 自分からやるように育てたいのに強制してたんじゃ、いつになったって自分からやる機会がないでしょってこと。
 そのことにも気づかず堂々と、学習習慣の定着のために大量の宿題を出すと言っているようでは、結局のところその塾は保護者にとって聞こえの良いことを言っているだけ、ということになります。

 そんなことだったら、学習習慣のような抽象的な概念を強調する塾よりも、「テストで良い点を取らせるために宿題を大量に出します」と言っている塾のほうがよっぽど正直です。



 もちろん学習習慣をうたう塾の全てが悪いと言っているわけじゃないですからね。塾の責任者がしっかりと具体的に説明ができればそれは素晴らしいことですから、そういう塾は信用して大丈夫です。

 ここでは学習習慣を例にしましたが、他にも抽象的な表現はあります。
 抽象的な表現で疑問を持った場合は遠慮なく質問し、具体的な方法論を聞き出してみてください。それにすんなり答えられれば、その塾の責任者はしっかりした考えを持っているといえます。逆にあやふやな回答をしたり困った表情を見せたら、保護者にとって聞き心地の良いコトバを並べているだけの危険があります。気を付けてください。

超高学歴エリート講師集団

 トップレベルの子が集まり、超難関校を受験するための塾ならいいのですが、そうではなくごくごく普通の生徒(勉強も部活も遊びもという生徒)が通うようないわゆる補習塾や総合塾のような所では、超高学歴エリート講師が集う塾は生徒にとって窮屈さを感じるかもしれません。

 というのは、当然講師の人柄にもよりますが、超高学歴エリート講師は超高学歴であるがゆえに、ごく普通の生徒が躓く部分について想像がなかなかつかないんですね。

 だから、ペンの止まる生徒を見てつい言ってしまう一言がある。言わなくても心の中で思ってしまうことがある。それは、

「何でそんなことが分からないのかな?」

 この一言を言ったらもう全てが終わりですからね。

 分からないところを分かるようにするために塾に通っているのに、そんなことを言われたら生徒がどれだけ傷つくか・・・。

 「講師の人柄にも注目しましょう」と言ったらそれまでですが、今現在の子どもの状況(勉強面でも心理面でも)を考慮したうえで、エリート講師が必要なのかどうかも検討材料としておくと良いと思われます。




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