読み手が理解しやすい様に文章を書く3つのコツ

 今回は文章の書き方について特に、読み手が解釈に困らないように理解しやすい文章を書くためのコツについて紹介します。

 文章を書くことが苦手な人にはちょっとした傾向がありますが、ここでは比較的簡単に自分で修正することができるものに焦点を当てて紹介します。

 読み手に対して理解しやすい文章を書こうと意識すると、
どのような言葉を使えばよいか
どんな言葉の並びで書けばよいか
どんな文の組み立てにすればよいか
について具体的に考えることになります。

 そしてこれらのことを考えながら書き進めると、必然的にある3つのことがらに注意して書いていこうとの考えに至ります。

 書きたいことや伝えたいことはあるのに、説得力のある文章になかなか仕上がらないと困っている小学生の高学年や中学生は、ちょっとした参考にしてみてください。もちろん大人の方が読んでくださっても大歓迎です。

一文を短くする

 まずはじめに言葉の確認。
 「文」とは文字を書き始めてから最初の「。」で書き終わるまでの文字列のことです。
 「文章」とは「文」が2つ以上組み合わさってできた文字列のことです。

 なので例えば、
 「僕の趣味はゲームです。」とあったら、これは「文」です。

 「僕の趣味はゲームです。毎日1時間やっています。」とあったら、これは「文章」です。

 文と文章の違いをはっきり区別したうえで、次のAとBを読み比べて下さい。

 A「僕は昨日、巨大化けガメ退治のゲームを買ってもらいました。前から欲しかったので、僕はすごくうれしかったです。」

 B「僕は昨日巨大化けガメ退治のゲームを買ってもらってそして前から欲しかったのですごくうれしかったです。」

 意味内容はどちらも理解できると思います。ただ、どちらが読みやすいかというとAの方が読みやすいと思います。一文で言いたいことを言い切っているので、すんなり内容が入ってくると思います。

 一方Bは、言いたいことは解るのですが、一文の中に言いたいことが3つ含まれています。そのため何を一番言いたいのかがやや見えにくくなっています。しかも句点もないのでさらにその状況が顕著になります。

 このように、文章を書くことに慣れていない人は、一文が長い傾向にあります。なんでもかんでも文を短くすれば良いということでもないですが、ある程度意味内容がまとまった所で一度文を切ることも必要です。なのでAの文章のように、前半は買ってもらったという事実について書き、後半で自分の感情を書くと伝わりやすくなってきます。

句読点を適切な位置に置く

 Bでは句読点が無いので、どこで話のまとまりをつくっているのかが見えにくくなっています。
 またそのために、「昨日」が何についてのことなのか少し理解しにくくなっています。

 句点を入れないと文を一気に読まなければならないと小学校の時に教わったと思いますが、Bでは文が長いのでダッシュで読む必要があります。すると意味内容を理解するだけでなく、声を出して読むことも難しくなってきます。息も続くかどうか・・・。
 やはりその面から考えてもBよりAの方が読みやすいと言えます。Bダッシュはゲームの中だけで十分です。

 書くことに慣れていないときは、「話の意味内容ごとに句点を入れる」と意識しておくと良いでしょう。
 もちろんこれを意識するあまり「句点だらけの文になる」危険はあります。でも自分で書いて、「句点だらけで読みにくい」と感じるならば、そう感じられた時点で文章力が上がったことを意味しますし、より良い書き方を意識できるはずです。

接続詞は1文に1つ

 自分が伝えたいことを1文に盛り込みすぎると接続詞を多用することになります。すると1文が長くなり、読みにくくなってしまう危険があります。特に1文に接続詞が複数あると、何がポイントなのかが見えなくなってしまいさらに理解に苦しむことにもなります。

 しかも1文の中に「そして」や「しかし」、「けれども」、「でも」など接続詞が混在すると、読み手は「だから何を言いたいの?」となってしまいます。
 極端な例ですが、次の「文」で確認してみましょう。

「キノコは踏めば倒せるからおもしろくそしてカメは踏んだだけでは倒せないけれども蹴った時の音がおもしろい。」

 さすがにこんな文を読まされたらたまったものじゃないですよね。接続詞が何と何をつなげているのかはっきりしないので、言いたいことが伝わりません。理解に苦しむだけでなく読むのも嫌になってきます。キノコやカメも踏まれ損です。

 1文の中に接続詞が複数出てくるようならいっそのこと「文」を分けて、「文章」として書いた方がずっと読みやすくなります。

 例えば、
「キノコは踏めば倒せる。しかしカメは踏んだだけでは倒せない。けれどもどちらも倒すことにおもしろさを感じる。」
とすれば、読みやすさの違いも実感できると思います。

 必ずしも接続詞は1文に1つにしなければならないというわけではありません。しかし、なかなかまとまりのある文に仕上がらないと思う時は、「1文に接続詞は1つ」を意識して「文ではなく文章として書く」と良いといえます。

最後に一言

 ここでは分かりやすい文章を書く3つのコツということで紹介しました。もちろんコツはこれだけではなくまだまだあります。まずはこの3つに意識を向ける所から始めて、徐々にコツをつかんでいくと解りやすい文章を書けるようになると思います。
 ですが一番大事なのは、日頃から何でも良いからとにかく「短い文を書く」ことです。それをしておかないと、なかなか長い文を書くことができません。そして文を書けないということは「文章を書けない」ということになります。
 なので、意識的に毎日「文」を書くことはしておきましょう。

 PCやスマホに文を打ち込むのではなく、自分の手で直接文を書くようにしましょう。





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